パナスタとエキスポシティの間に'橋'が架かる日はくるのか。現地の状況から検証してみた
2019年11月21日
今回はエキスポシティに隣接するサッカー専用スタジアム「パナソニックスタジアム吹田」ことパナスタ。

エキスポシティと隣接していながら、両施設を隔てるように万博外周道路があり、施設間に連絡通路等はありません。両施設を行き来するには大きく迂回する必要があり、かねてから'連絡通路の設置'がネットを中心に話題になりますが、一向に進展する気配はありません。

エキスポシティから見たパナスタ。両施設の間には万博外周道路が走っている。連絡橋のようにみえる橋は車・バイク専用の道路で、パナスタと繋がっているわけではない。
ではなぜ両施設の間に連絡通路は設置されないのでしょうか。今回はなかなか実現しない「パナスタとエキスポシティ間の連絡通路」について、現地の状況を踏まえながらご紹介していきます。
ではまずはパナスタ利用者の6割が利用するという、万博記念公園駅からパナスタまでのアクセスルートについておさらいです。

黄色の矢印ルートが一般的なアクセスルート①。オレンジの矢印ルートが車椅子の方、足の不自由な方、ベビーカー利用者等のアクセスルート②になります。どちらも万博記念公園駅からの所用時間は約15分ほどです。
地図上でもわかるように、どちらのルートもエキスポシティを避けるように大きく迂回したルートになっています。一般的なアクセスルート①は、さらに南駐車場も迂回する形となっており、かなり大回りなルートになっています。
ではなぜこのような大回りルートになったのでしょうか。それは安全面と周辺施設に配慮した結果です。
一見ルート②を一般的なアクセスルートにすればいいと思われますが、途中でエキスポシティの駐車場入口と交差する箇所があることや、万博外周道路を渡る橋が狭くて危険ということから、一般的なアクセスルートとして推奨されていません。
そして一般的なアクセスルート①には最大の難所があります。それが大階段こと'パナソニックロード'。

およそ150段ある階段で、高低差は約25mほどあります。真夏のシーズンは上るだけで汗が吹き出しますし、比較的涼しいシーズンでも軽く汗をかくほど。
ガンバ大阪側は、なんとかこの大階段の負担を精神的に和らげようと、パナソニックロードと命名。階段を上った先で観戦チケットを提示すると、パナソニックの商品が当たる抽選会に参加できたり、ガンバ大阪の歴代のパネルを設置したりと様々な策を講じています。
しかし、やはりこの大階段は体力的にも精神的にも辛い部分があります。今すぐには無理でも、将来的にはこの大階段を避ける形のアクセスルートの確立が望まれるわけですが…。
エキスポシティを突き抜けるのは?
そこでよく出る意見が「万博記念公園駅からエキスポシティを突き抜けて、パナスタへと向かうルート」。目と鼻の先にありながらも、両施設の間には連絡通路等はなく、たびたび仲が悪いのでは?と噂されてきました。
よくネット上で議論される「EXPOCITY突き抜け案」を検証してみましょう。

地図上で見てもかなりスッキリ。これなら分かりやすいし、大階段を避けられるし、最短距離でアクセスできます。ただし、実現にはかなりハードルが高いのが現状。ではなぜハードルが高いのでしょうか。
まずエキスポシティの正面エントランスから、グリーンサイドと呼ばれる「OSAKA ENGLISH VILLAGE」の前を通り、ららぽーとを目指します。

この辺りも階段の幅も広く、見たところ問題なさそうに思えます。
階段を上りきると、ららぽーとの入口があります。

ららぽーと内も通路幅が広く、一見問題なさそうに思えます。しかし、営業時間内の試合開催なら大変混雑しますし、お買い物目当てで来ている人からは苦情が出てもおかしくありません。
また施設内を通ることにより、その分警備が必要になりますし、なにかあればEXPOCITYの責任問題にもなり兼ねません。またこの通路は21時には閉鎖されてしまい、試合終了が21時を超えるナイター時は利用できないという問題点もあります。

またららぽーと内を突き抜けると、次はEXPOCITYの駐車場が立ち塞がります。ここからパナスタに行くには駐車場を突き抜ける必要があり、こちらも安全面から考えて、実現には駐車場構造そのものを作り替えるなど、かなりハードルが高いといえるでしょう。
悔やまれる施設間の連携
パナスタは2015年10月に、エキスポシティは2015年11月に竣工しました。つまり同時期に完成した施設なんです。しかし、建設段階から両施設間の連携といえるほどの交流はなく、渋滞対策などの交通面に関する話し合いがあったぐらいです。
最近でこそ両施設は交流が活発となっていますが、時すでに遅し。施設が完成してしまった今ではソフト面の交流はできても、ハード面を変えることは容易ではありません。
これほどの大規模施設が同時期に完成することは国内でもあまり例はありません。大阪府が先導する形で仲介役になるなど、もっと早い段階から交流が出来ていれば、両施設を繋ぐ橋や地下道など、なんなりの連絡通路が設置できたのではと悔やまれるばかりです。

誰もがエキスポシティとパナスタを繋ぐ連絡橋と思った万博外周道路を跨ぐ橋。実際にはエキスポシティの駐車場の誘導道路だった。
将来的にはパナスタとエキスポシティを行き来できる橋は架かるのか
もう出来てしまったのですから、いつまでも悔やんではいられません。年月が掛かろうと、両施設を繋ぐ橋が架かる日が来ることを願うばかりですが、やはり施設構造を変更しなければならないなど、実現にはかなりハードルが高いといえます。
ではずっとこのままなのか。今後もあの大階段を上り続けなければならないのか。そう考えることもありましたが、少しだけ状況が好転しそうな出来事がありました。
それが'万博アリーナ計画'。

関西最大の大規模アリーナが大阪・吹田の万博記念公園駅前に計画されていることが明らかに!
まだ実現するかどうかは別として、仮にアリーナが出来ると周辺の開発が再び加速します。アリーナ建設予定地は、主に万博中央駐車場とホテル阪急エキスポパーク跡地を想定していますが、万博記念ビルがある辺りも開発用地に含まれており、同ビルは取り壊される可能性が高くなっています。

万博アリーナを建設・運営する企業が現れた場合、計画段階から各施設が連携することで、例えば上記のような大階段を避けるルートも実現可能となるかもしれません。
パナスタにとっては万博周辺の混雑に拍車をかけるアリーナは、一見厄介者のように思えます。しかしアリーナが実現すると、JR茨木駅を発着する平日路線バスが復活したり、新規路線が開通したり、パナスタのアクセス改善も期待できるかもしれません。
もちろん課題も山積していることも確かです。今後ますます発展が予想される万博記念公園周辺。施設間がソフト面はもちろん、ハード面でも連携することで、より魅力的な場所へと変わっていくのではないでしょうか。
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