以前お伝えした大阪府吹田市の万博記念公園駅前に、コンサートや国際的なスポーツを開催できる多目的アリーナを建設するという計画。大阪府の吉村知事は2019年9月17日(火)に行った定例記者会見で明らかにしたもので、万博記念公園駅前に広がる大阪府が所有する土地に民間事業者を募り、2025年に開催される「大阪・関西万博」までに完成を目指しています。関西最大のアリーナ計画とは
大阪府吹田市の大阪モノレール‘万博記念公園駅‘の南側にある大阪府が所有する土地を民間事業者に貸し出した上で、コンサートや国際的なスポーツ大会を開催できる多目的アリーナを民間業者に整備してもらう計画。

コンサート使用時のイメージ図 出典:大阪府資料

スポーツ大会開催時のイメージ図 出典:大阪府資料
今までの記事。
■大阪・吹田の万博公園に関西最大のアリーナが計画されています。■万博公園に計画する大規模アリーナの開発概要が明らかに!本日から一般公募も始まりました!どの企業よりも早く現地を視察してきた!
大阪・吹田の万博記念公園駅前に、関西最大となる多目的アリーナを建設しようという‘万博アリーナ計画ですが、2019年10月8日(火)から一般公募が始まり、10月18日(金)には民間事業者向けの現地説明会が開かれる予定となっています。
ということで今回はどこの企業・団体よりも早く、アリーナの建設予定地を視察することに!(誰に張り合っているねん)

と言っても普段からこの場所は、通勤などで頻繁に通る場所。今更感はあるのですが、アリーナをこの場所に計画するなら…という企業目線で改めて視察してみました。
万博記念公園駅前にアリーナを建設する利点とは
①駅直結という好立地改めてアリーナの建設予定地を見て感じたことは、やはり
駅直結という好立地であるという点。

万博記念公園駅から見たアリーナ建設予定地
駅直結って言っても所詮モノレールでしょ!?と侮ることなかれ!アリーナ建設予定地前にある「万博記念公園駅」は、大阪モノレールの中でも2面3線のホームをもつ最大の駅。千里中央・大阪空港方面と南茨木・門真市方面のホームが分かれているのも、大阪モノレールではこの'万博記念公園駅"のみ。
近年はエキスポシティやパナソニックスタジアム吹田の完成で利用者は急増したものの、それでも1日の利用者は約2万5千人と、大阪モノレール最大の利用者を誇る'千里中央駅"の6割ほどになります。イベント開催時などは集中して混雑する時間帯があるものの、キャパ的にはまだまだ余力がある駅といえます。
少し話が逸れましたが、そんな駅の目の前という好立地。全国的にも駅が目の前にあるアリーナは数えるほどしかありません。
②周辺の環境も充実アリーナ建設予定地の周辺には、万博公園や大型複合施設エキスポシティがあり、施設間の相乗効果も見込めます。

コンサートの前に万博公園をぶらぶらして、エキスポシティで水族館や映画を楽しんで、夜にコンサートを楽しんで…
そんな一日を通したプランが立てられるのも魅力です。
アリーナを建設する際に気になる点
①建設予定地の高低差アリーナの建設予定地には現在、ホテル阪急エキスポパーク・万博記念ビル・万博記念公園中央駐車場が立地しています。
実
はこのアリーナの建設予定地は、なだらかな丘陵地になっており、大阪府の資料によると最大25mの高低差があるそうです。

左に"ホテル阪急エキスポパーク"。右に万博記念公園中央駐車場。
あまり今まで意識したことがありませんでしたが、確かに「ホテル阪急エキスポパーク」と「万博記念公園中央駐車場」の間も、なだらかな坂になっていることがわかります。

実はこの万博公園周辺は丘陵地を切り開いて開発した経緯があり、エキスポシティも丘陵地に建設された施設のひとつです。そのためニフレルなどある場所から、ららぽーとEXPOCITYに行くには階段やエスカレーターを乗り継いで行く必要があります。
アリーナ建設予定地もこうした丘陵地にあるため、施設建設の際は少し難工事になる可能性があります。
②心配される交通アクセスアリーナ建設予定地は、万博記念公園駅直結という好立地になりますが、逆にいえば鉄道のアクセス路線は"大阪モノレールしか"ありません。
イベント開催時の輸送力も心配されていますが、なにより心配なのが"大阪モノレールがストップ"してしまうこと。大阪モノレールは通常の鉄道に比べて、人身事故は極端に少なく、また上空を走るという点から大雨にも強いです。
ただし、建設から30年が経過し、最近はポイント故障などが度々発生。このようなアクシデントが発生した際に、大阪モノレール一択しかない万博記念公園に、アリーナを建設するというデメリットもあります。
大阪城ホールには最寄り駅のJR大阪環状線「大阪城公園駅」のほかに、大阪メトロ長堀鶴見緑地線「大阪ビジネスパーク駅」があり、少し歩きますがJR京橋駅にも行くことができます。同様に京セラドーム大阪も複数の鉄道路線があり、混雑分散や人身事故等のリスク分散にも繋がっています。
これらのことを考えると、多少リスクがある立地であることが分かると思います。バスでJR茨木駅や千里中央駅に輸送するという手段もありますが、鉄道に比べて圧倒的に輸送力が劣るバスでは限界があるのが実情です。
利点もあれば、ややデメリットもある立地。一体どのような企業・団体が興味を示すのか気になるところ。
今後も万博アリーナ構想を見守っていきたいと思います。
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