吹田市垂水町に伝わる「雉子畷(きじなわて)」という昔話をご存知でしょうか。今に伝わる悲しい物語とは
今回ご紹介するのは、吹田市垂水町に伝わる「雉子畷(きじなわて)」という伝承をご存知でしょうか。
阪急千里線「豊津駅」から西へ徒歩10分ほど歩いた場所。このあたりでは古くから信仰のある「垂水神社(たるみじんじゃ)」がある吹田市垂水町にそのお話しは伝わっています。

垂水神社から吹田市垂水町1丁目~3丁目を抜ける通りは「雉子鳴き道(きじなきみち)」という名がつけられています。


通り名がつけられたのは2001年のこと。このあたりに伝わる「雉子畷(きじなわて)」というお話しが元になっています。
雉子鳴き道沿いにある今も残る石碑にその伝承は語り継がれています。


伝説 「雉子畷(きじなわて)」
時はいにしえ(592~628年頃)、淀川の長柄の渡しに橋をかけようと地元の人たちが苦労したが、なかなか難工事で成功しなかった。だれかが犠牲にならなければ、橋はできない、と我が身をかえりみず、人柱となった岩氏のおかげで、遂に立派な橋が両岸にわたり、こうして大勢の難儀が救われることになった。
岩氏のひとり娘は非常に美しい人であったが、この父の悲劇によって、物いわぬ人となった。河内の禁野村(今の枚方市北部牧野付近)の人にとついだ後も、ずっと物を言わなかったので、ある日、実家へ帰させることとなり、夫とともに、ちょうどこのあたりへさしかかったとき、雉子が鳴いて、夫がそれを射殺してしまった。その時、女は悲しんで「ものいわじ 父は長柄の橋柱 雉子も鳴かずば 射られざらまし」とよんだという。
それから、このあたりを「雉子畷」といいつたえたということである。(昭和58年11月 吹田市教育委員会)
時はいにしえ(592~628年頃)、淀川の長柄の渡しに橋をかけようと地元の人たちが苦労したが、なかなか難工事で成功しなかった。だれかが犠牲にならなければ、橋はできない、と我が身をかえりみず、人柱となった岩氏のおかげで、遂に立派な橋が両岸にわたり、こうして大勢の難儀が救われることになった。
岩氏のひとり娘は非常に美しい人であったが、この父の悲劇によって、物いわぬ人となった。河内の禁野村(今の枚方市北部牧野付近)の人にとついだ後も、ずっと物を言わなかったので、ある日、実家へ帰させることとなり、夫とともに、ちょうどこのあたりへさしかかったとき、雉子が鳴いて、夫がそれを射殺してしまった。その時、女は悲しんで「ものいわじ 父は長柄の橋柱 雉子も鳴かずば 射られざらまし」とよんだという。
それから、このあたりを「雉子畷」といいつたえたということである。(昭和58年11月 吹田市教育委員会)


今は文字が少しかすれてしまっていますが、古い石碑はちょうど100年前の大正10年(1921年)10月に設置されたようです。
石碑には自ら人柱となったとされる垂水の長者「岩氏(巌氏)」ですが、なかなか決まらなかった人柱の人選に「袴に継ぎのある者を人柱にすればよい」と助言したところ、巌氏本人が継の当たった袴をはいていたので役人は巌氏の意向をくみ、本人を人柱に選定したとも伝えられています。
「口は災いのもと」の意味で知られる「雉子も鳴かずば撃たれまい」という、ことわざの元になった悲しいお話です。まんが日本昔ばなしで有名な「キジも鳴かずば」は信濃(今の長野県)に伝わる伝承が元になっているようですが、全国各地にこのような人柱伝説は語り継がれています。
今回は吹田市垂水町に伝わる悲しい物語「雉子畷(きじなわて)」についてご紹介しました。
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